なぜ「シャドーイング」なのか?


シャドーイングをご存じですか。リピーティングは想像がつくかもしれませんね。そう、先生のあとについて繰り返すことです。では、シャドーイングって何でしょう。シャドーイングとは、英語を発話している人とほぼ同時に発話することです。同じスピードで発話しなければいけないので、なかなかハードルは高くなります。では、なぜ、そのシャドーイングが必要なんでしょう・・・?

よく、英語にカタカナをふってあるものがありますね。そのカタカナが、ひとつの単語で発音するときと、文として話すときには違いがあることを気づかれた人も多いのではないでしょうか。例えば、「Can」「I」 ひとつひとつは「キャン」「アイ」。でも、Can I~?は「クナイ」と書かれています。同じように、What I doは、「ワダイドゥ」など、英語は、ひとつの単語の発音と、語が連なって発音されるときには、全く違って聞こえるものです。もちろん、日本語にも見られる現象ですが、英語はこの現象が頻繁に起こり、これが日本人の英語学習者を悩ませるのです。つまり、この音声の変化や英語特有のイントネーションが、日本人が英語が聞き取れないという原因のひとつだと考えられます。リピーティングで、英語のイントネーションや発音を意識し、シャドーイングで、スピード感をつける。英語の意味を瞬時に理解するのには、どちらも必要不可欠なトレーニングなんです。

昔、カリフォルニアにいたときに、TOEFL650(IBTだと115、TOEICだと990くらい)という日本人がいたのですが、どこの大学院にも入らず、語学学校に長い間いた人がいました。そのころは、スピーキングテストはありませんでしたから、その人の語彙力と読解力はずば抜けていたはずです。では、なぜ大学院に入らなかったのでしょう?答えは簡単です。話せなかったからです。話す能力は、大学院でのディスカッションでは必須です。でも、それができなかったんです。どんなに読めても、どんなに書けても、話す能力は、トレーニングをしていないと難しいんです。

実は、このシャドーイングとリピーティングは、私がカリフォルニアに在住していた時に、無意識にしていた方法なんです。もちろん、そのころは、シャドーイングやリピーティングをしているという意識は全くありませんでしたが。(笑) ルームメイトたちが話していることの意味がわからなくても、とにかく短文を繰り返し、車を運転しながら、ラジオから流れる英語をシャドーイングしてみたり。そんなことをしているうちに、いつの間にか、カリフォルニア生まれの日系人だと思われるレベルになっていました。(笑)

どんなに読めても、どんなに書けても、話す能力は、トレーニングをしていないと難しいということは少しわかっていただけたでしょうか。シャドーイング・リピーティングは、口から、いつの間にか英語が出ているという状態にするために必要なプロセスなんだと、私は信じています。そして、母語話者のスピードに慣れ、話すようになるには、シャドーイングが欠かせません。英語脳を作ること、そして、英語を発音するための顔の筋肉を作ること。これを同時に行うのに、シャドーイングとリピーティングは、最適だと思っています。

アイネス英会話スクールでは、中学生と高校生のクラスでシャドーイングとリピーティングを取り入れてます。家でできることでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、家でもできます!でも、部活や学校の宿題に追われている中高生に、家でやってください!と言って、どれだけの中高生がやってくれるでしょうか。確かに、週1回のクラスだけでは、効果が薄いのかもしれません。でも、この効果を実感しなければ、きっと、ずっとやらずに、英語がうまくしゃべれないと言い続けるでしょう。当教室では、中高生の集中力を最大限生かして、シャドーイング・リピーティングを短時間で行っています。特に、文法例文を多くシャドーイングをさせますが、慣れてくると、意識せずに英語表現が口から出てくるようになり、文法をいつの間にか認識できるようにもなります。これが英語脳を作る作業です。日本語から英語に直訳して、頭で文を一生懸命組み立ててもそれは自然な英語にはならないので!

生徒さんたちが、この効果を感じるのは、もっと先かもしれません。でも、中高生という記憶の定着と集中力が高いこの時期だからこそ、クラスのカリキュラムに取り入れていきたいと思っています。

アイネス英会話スクール(iNES English School)

2020年4月に新規オープンする英会話スクール。小学生、中学生、高校生対象。少人数制で、スピーキング重視。

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